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2026年2月15日 この範囲を時系列順で読む

new 作品感想,映画

『アバター』観た。完全初見。
タイトルとあの青い種族の見た目だけ知ってたというレベル。
よく見たら人外さんたちのキャラデザめっちゃ素敵じゃん……!? となったのと、SF熱がきているのでこのタイミングに観た。

随所に刺さるポイントがあって、かなり好きな映画でびっくりしている……!! 観てよかった~~!!
デカい人外ってやはり最高だ。
まずナヴィ(あの青い種族)なんだけど、その、身長2~3メートルあるんですね……。ありがとうございます。これだけでもう嬉しくて仕方がない。五体投地。
最初にアバターが登場した時点で性癖に刺さる音がしてだめだった。異種族の造形として良すぎる……っ。

舞台が異星なのにはびっくりした。勝手に未来の地球の話だと思っていたので。
足を失った男が代わりの人外の体を得、異種族との交流を図る……というイントロの時点でめちゃめちゃおもしろい!! ド好みです!!


作中のナヴィの描写は完全な異種族としてよりも、"未開の人々"として表現されていた。
独自の言語や暮らしを持ち、彼らなりの死生観と世界観のなかで生きている人々。
そういう意味ではストーリーラインもとても分かりやすかった。帝国主義への問いかけであり、合理的自然保護の話でもある。

パーカーが途中でナヴィのことを「青猿」"blue monkey"と呼んだのも、大佐が彼らを見下すのも、とても露骨な表現だ。
でももし当事者として自分の知っている世界とは違う文化圏に投げ入れられた時、果たして人間はジェイクのように"彼らは未開の人々だ"という視線をああして手放せるのだろうか、と考え込む。
郷に入っては郷に従い、他文化が大事にしているものを自分も大事にする。シンプルだからこそ、そこに自分の驕りや思い込みはないだろうか……自覚してないだけで……と思う。上手い言葉でまとめられないんだけど……。
他種族を対等に見る理由は相手の賢さなのか? 肌の色か? 見た目の人間っぽさか? 強さか?
そういう意味で"人類"中心主義の話だ……とぐるぐる考える。

終盤で主人公の退役軍人設定が活きるのには納得感あってよかったけど、同時にずっと「人類は愚か……戦争は愚か……」という気持ちでいっぱいだった。
ジェイクの最後の選択も、結局人類は醜かったという結末で終わるし橋渡し役はいなくなるのか……という無念さがあり、客観的な結末としては寂しかった。あれだけ話を聞かない人間に囲まれたジェイクの選択としては当然だけど。
トルーディはめちゃめちゃかっこよかった。

ナヴィの文化に関しては、狩り・葬送・婚姻など色んな面から描写されててディティールも良い。言語もあれ多分ちゃんと作り込んであるやつだよな……?
人外種族の文化って大好きなのでいっぱい見たい。
食事シーンがなかったのだけ惜しいな……!


あと映像美!! もうぜ~~んぶすごい!!!!
ナヴィたちはCGだと思えないくらい自然だし、背景の自然も壮大で美しい。
森の景色は地球の熱帯林のような緑に青が映えて幻想的で、生き物のデザインも世界観的な統一感がありつつ個性的でとても素敵だ。夜の光の表現もとっても綺麗!
パンドラ(星)が完全な異世界ではなく地球っぽい環境をベースにしているので、違和感が大きすぎず差異が際立つ絶妙なバランスだなあと思う。
磁場の形をした岩も、現実にも柱状節理みたいなすごい岩あるもんな……異星にあってもおかしくないな……と納得できてしまう。

生物種も、動物植物のどっちもデザインが面白くてわくわくする!
プロレムリスって出てきた瞬間「つまりキツネザルってことですか!?」と立ち上がってしまった。
六足ウマの頭骨はオオアリクイみたいでかわいいし、イクランやトルークはミクロラプトルみたいな飛行シルエットが素敵。
このへんの生物素敵すぎるので設定資料集とかあったら欲しいなあ。あるだろうけど入手難しそうだなあ。
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2026年2月14日 この範囲を時系列順で読む

作品感想,映画

『海底二万マイル』を観た。1954年のディズニー版実写のやつ。
原作ありの映画としてなかなか良かった!

ディズニーシーの海底二万マイルのエリアを見てなんとなく知ってはいたけど、やはりビジュアル面の良さがぶっちぎっている……!(※ディズニーシーに行ったことはない)
※原作通過済み、「神秘の島」は読み途中の段階

原作側から見て忠実な作品かといわれれば微妙なのだが、当時のエンタメ作品としてはかなり原作の要素を拾って構成していてすごい、という印象。
主人公側3人の描写がいまいち好きになれなかったんだけど、ネモの思想の強さや船内の雰囲気や細部の造形はとても良かったし、一部のアニメ撮影的な表現も流石ディズニーだな~と思った!

序盤のフリゲート艦上の表現はあまりリアルって感じではなくて、合成感が強いし海風の感じもあまり感じられない。
なのでノーチラス号の描写のほうにリソースを割いたのかなって思ったんだけど、その通りだった!
原作の挿絵の雰囲気を出しつつ、あの"ノーチラス号といえば"な造形……ビス打ちされた茶色い鉄板やパイプがひしめく壁と、重厚でクラシックな家具、眩い電気の光、突き刺す気満々な外装、ぜ~んぶ格好いい!!
雰囲気が近いジャンルとしてはスチームパンクがあるけど、スチームじゃなくて電気だし、もうちょっとSF感と重厚さとクラシカルが混ざった絶妙なイメージがあるんだよなあ。あの感じ素敵だ。
扇形の二枚貝のようなオルガンのデザインもめちゃめちゃ良い!

ネモも良かった。
自分のイメージしてた原作ネモとは違うんだけど、この強い感情を秘めた目力の感じもまた良い。
よく喋るしよく感情をあらわにするけど、たぶんこの映画の展開の早さのせいもあるなという感じ。
葬式のシーンを序盤に持ってくるのも、彼の不可解さを表すのにとても良かった(昇降口開けてたのはうっかりさんすぎるが)。
復讐者としてのネモが感情を抑えられない描写も、映画だからオルガンの音による演出が際立っていて印象的……!
全体的に、海に魅せられた側面よりも、陸の人間を憎む描写が強めだった。生態系の話とか全然してなかったから仕方ないんだけど。

でもネモが軽率に上陸するのは解釈違いです。上陸するにしてもその感じは違うだろう!?
そして現在進行形で神秘の島読んでる途中(ネモ未登場)だから、ネモの独白のシーンに「これってネタバレ!? それともディズニー版特有の設定!? どっち!? どっちですかー!!??」って混乱しきりだった。早く続き読もう……。
もしあの独白が本当だとしたら、世界中がノーチラス号を怪物だと思っている中でイギリスだけはネモの正体に気付いていたってことになるのか……?
そしてディズニーシーの設定は、映画ネモではあるけど全くの別世界線という感じになるのかな。それはそれで気になるし行ってみたいなあ。

主人公側3人の仲があまり良くなかったのは見ててちょっと寂しかったな。
そもそもコンセイユが原作のイメージと乖離していて、登場時点から戸惑っていた。本当にこの人誰……!? あの先生に忠実で分類オタクの健気な若者コンセイユはどこへ!?
ネッドランドのほうは登場時点でひと目で分かったけど、熱意というより軽率さが目立つ。
アロナックス先生も楽観的で口が軽くてネモに影響されやすくて……この3人なら仲間割れするよなって感じで……原作がめちゃめちゃ仲良く見えてくる……。

原作との根本的な違いとしては、「ノーチラス号の動力源が電気である」ことを明言していないというのがある。
これは多分映画公開時点では電気が普及しすぎていたので、ネモの前人未踏の科学力を示すために「現在ではまだ追いつけない技術」というふんわりした表現になったんだろうな~と思っている。

島の先住民たちに襲われるくだりや巨大頭足類との戦いは、やっぱり映画との相性がいいなと思った。
序盤に、海の怪物(ノーチラス号)はずっと南太平洋にいると明言されてて「世界中回らないの?」って気になったけど、この設定のおかげで世界一周がなくとも違和感がない作りになっているんだなあと後から納得した。

そして撃たれた後のネモがノーチラス号と船員とともに海底で死のうとするところは、解釈としてまあ分かる。
ここまで来ている時点で船員たちはネモに命を預けているだろうし、ネモがいない中でノーチラス号を運用していくのか? 誰かが彼の復讐を継ぐのか? という問題もあるし。
ただ、このネモは結局自分の発明を残したいのか残したくないのかわからなかった。残したいならアロナックスたち逃がしてから沈むんじゃない!? なんで世界の未来に希望託しながら全部沈もうとしてたんだ。

一通り観てから映画ポスター見たら、何でそこにネッドがいるんだよって爆笑しちゃった。先生1mmも映ってないじゃん!!
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#海底二万里

2026年2月13日 この範囲を時系列順で読む

作品感想,映画

『トワイライト・ウォリアーズ 決戦! 九龍城砦』観た。
友人氏のおすすめにより、香港映画を初めて観る。
め~っちゃ良かった!
感想(※オモコロとリバースの話がある)
お、おもしれ~~~っ
画面もアクションもかっこいいしキャラも人間関係もすっごく魅力的。
冒頭を含めて度々「ウワッ痛そっ」となるシーンはあれど、後述する理由で自分は見れないほどではなかった。面白さが余裕で上回る!!

背景の町の雰囲気がとにかく良くて、世界観にめちゃめちゃ惹きこまれる!
ネオンがギラギラバチバチでいかにも香港って感じの街も、建物も人もギチギチでごちゃごちゃな九龍城砦も、どちらも異文化の魅力を感じる。

痛そうなシーンはそれなりにあるんだけど、アクションシーンのテンポが速いしサクサク戦闘が進むので「うおーっいけーっ」というテンションに紛れてしまう。
人間の動きやパワーが常人のそれではなくて、これアニメでやるアクションじゃない!? 実写でここまでの迫力で表現できるんだ!? とびっくり。
あとモブ含め人間の体が硬いのも面白い。人間が壁にぶつかると壊れるのは壁のほうというレベルなので、まあ大丈夫かという気持ちになってくる(大丈夫ではない)。

そして敵も味方も強い! 兄貴たちが強くてかっこいい!!
なかでも約一名が規格外に強くてウケた。
というのも事前に「オモコロの加藤さんみたいな人がいる」と聞いており、登場時点で(この人めちゃめちゃオモコロの加藤さんみたいだな……いや尚早か……? でもかなりそうだよな……)と思ってたらそうだったんだけど、この人がチートキャラみたいな性能でめちゃめちゃ面白い。強すぎるのって面白いんだ。
世界観も雰囲気もニエゴ様(この記事のキャラ)で、実際本当にただ者じゃなかったので違和感は消えた。ヒャハハ笑いもすっごく似合う。
あとロン兄貴の登場シーンも強い。何度反芻してもかっこよすぎる……。

痛そうなシーンより、子どもが関わるエピソードがしんどかった。
どうか子どもは健全な環境ですこやかに育て!!!!(泣)という気持ちになるけど、現在進行形でいろいろな難民問題があって、その渦中の子どももいるわけで……といろいろ考えてしまった。
凧はモチーフとして美しくて印象的だったなあ。

曲も良かった~!
途中で入る現地の曲、なんか耳馴染みあるなと思ったらリバースのお願いオフィサーに音の感じが似てるんだな~と気付く。記憶の思わぬ繋がり。
あの曲調の感じはノワールさんが香港出身だからか……! と納得した。

あとエンディングで思ったのが、人々の日常が映るのがすごく良いなということ。
物語の舞台は裏社会で戦いも派手で、テーマ的には我々にとっての非日常という感じだけど、同じ空間で暮らす人々の日常や生活もまたそこにある、という空気感を作中で勿体ぶらずに描いているのを感じる。
そのディテールがあるからこそ、主人公たちがこの場所に抱いているかけがえのない思いがより染みるんだなあと思った。
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2026年2月10日 この範囲を時系列順で読む

作品感想,映画

インディ・ジョーンズシリーズ『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』観た。

ちょっと前に、インディ・ジョーンズの曲は飽きるほど聞いたことがあるのに本編一度も観たことないじゃん!? と気づいた。なんかおじさんが冒険するやつっぽいなーというレベルの解像度。
知人に概要を聞いたら、古代遺跡・考古学者・博物学と好きな要素揃い踏みだったのでこの機会に見ることに。

めちゃ人気な理由が分かると同時に、自分のツボの横を綺麗にすり抜けて行ったのでびっくりした。
正直、別に特別好きでも嫌いでもなかったなという所感。
要素は好きだったんだけど、映画として個人的に刺さるものはあまりなかったというか。
でも人気な理由はめちゃめちゃ分かる!
これ多分、他人とわちゃわちゃ話しながら見るほうが良い映画なんだな。

自分が人文学を通ってるからだろうけど、遺跡からアイテム見つけたぜヤッター! というテンションに乗りきることができなかった。
作中で「この考古学のための調査は強奪とは違う」的なことを説明してたシーンがあったけど、後半の流れ見たらおいおい言ってること違うじゃんか~!☝️ってなっちゃった。強奪です。
大衆向けの面白さに考古学というモチーフを使ったらまあこうなるわな~という展開だらけで、そればかり考えてしまった。

あと、この作品が考古学というものの世間の印象を良くも悪くも形作ったんだなあと思った。
それにしても石箱のフタ乱雑に投げ捨てたり、壁を壊すとか言ってるとこでは「嘘だろ!?」って声出ちゃったが。
なんというか、自分の好きな方向性の「遺跡のロマン」と違うものがお出しされたので消化不良。

いやもちろん作中当時と今の考え方が違うのはある!! 分かってる!!

微妙だった理由の大きな要因としては多分、制作1981年・作中舞台1936年という時代背景もあるんだよな。
普段は「この時代ならこういう描写になるか~面白いな~」みたいな視点を脇に置きながら見ているんだけど、いかんせん今回はどちらの年代も最近過ぎず昔過ぎずで、現代の感覚との地続き感が中途半端に感じられたのが良くない気がする。この時代にこれを面白がっていいのか? という。
価値観は昔の話なのに、エンタメとしての魅せ方が現代的だから、ポストコロニアル的な感覚との齟齬がノイズになった感じ。

ここまで書きながら自分に対して「ごちゃごちゃうるせぇ~! そういう視点でみる映画じゃないだろ!」と思っている。
個人の感想だから別にいいじゃんとは思うけど、人気作品をストレートに面白がれないのってちょっと悔しい……。
それはそうと物語としての面白さは分かるし、テンポも良いし、それを表現するための演出も良いし、インディもかっこいいんだよな。
キャラクターそれぞれの個性も良かった!

箇条書きの感想
・罠だらけの遺跡を進むのかっこいい。この既視感の正体、遊戯王の双六じいちゃんだ!
 追ってくる岩、下がる天井、床のトラップetc.も古典的な表現だなと思ったんだけど、もしかしてこれが原典か!?
・武器が鞭なのってかっこいい
・当時の世界史とキリスト教知識が要求されている……っ! 説明のくだり、かなり雰囲気で聞いていた。
・外国人の顔つきの見分けがつかなくて、ちょっと服装とかが変わると分からなくなりがち。インディ、眼鏡かけると雰囲気変わるなあ。
・フサオマキザルだ~カワイ~南米のサルだから主要人物のペットっぽいね~と思ってたら死んだので悲しい。アメデオみたいに冒険に着いてくる癒し枠だと思ったのに……。そして飼い主の眼帯男、最後までよく分からなかった。
・人死にと爆発が軽すぎる!! すごいテンポでモブが死ぬ!!
・例の曲はめちゃめちゃ良い。BGMに流れると、流石インディだぜ!って気持ちにさせてくれる。
・マリオン、最初は強い女造形かと思ったけどどちらかというと魔性のほうだ。一応(酒に)強い女でもある。
・べロックの口に虫入ったように見えるシーン(多分ギリギリ入ってない)気になりすぎてしばらく会話が頭に入ってこなかった。面白くて
・べロック、しょうもないライバルキャラとしてかなり良いキャラだったので死んだのめちゃめちゃびっくりした。インディに「俺はお前の影😉」みたいなこと言ってたし、てっきりシリーズ通してのライバル枠的存在かと思って観てた……違うのか……。

正直、遺跡とかオーパーツはモチーフとして本当に好きだから続編も観たいんだよな~~!!
作品によって雰囲気やテンションが違うこともままあるし、今回ので自分の視点の癖もわかったので、前提の姿勢を変えて観たい。
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2026年2月7日 この範囲を時系列順で読む

作品感想,映画

1月14日に『FALL 落下の王国』を劇場で観た。

元は2006年の映画だけどDVDが廃盤になってたりで、知る人ぞ知る的な作品だったらしい……んだけど、それがリマスター版になって劇場公開!
というのをXで見かけて、PVの雰囲気とキャラデザの美しさに圧倒されて観に行った。

すっっっっっごく良かった。めちゃめちゃ好き。
視覚的な気持ち良さがずっと満たされる感じがあるし、物語としてもたいへん良かった。
怪我をしたスタントマンの男性が、同じく入院中の少女に物語を語って聞かせるという構造。
なので病院の描写と架空のお話の描写を行ったり来たりするんだけど、お話のパートの描写が本当に全部美しい。

自分は小説を読んだり物語を聞いている時に、脳内で映像を作って、もし自分の想像が描写とズレてたら随時修正して補完して……場合によっては背景を曖昧なままにして想像を続けて……っていう風に進めていくんだけど、それが映画で行われていた。
自分でも書いててどういうこと? って思うんだけど……。
主人公がアドリブで語り進める物語にあわせて、舞台がさまざまに移り変わりながら旅が進んでいく。
その全部が壮大で美しくて、いちばん綺麗な時の夢のようだった。
ちょこちょこ不可解なところや整合性の分からない箇所もあるんだけど、それもまた子どもに聞かせるアドリブの物語って感じで良い……。

特に、アレキサンダー大王が立っている場所が建物から砂漠に移るところと、布を血で染めるところ、霊者の儀式前後、青い街、ルイジの爆発のシーンあたりは本当に好き。
あと本当にキャラデザが良い……!!
移り変わる絵画のような美麗な構図にとにかく映える。みんなめちゃめちゃかっこいい。

スタントマンのロイは、自分が薬物乱用するために子どもを利用するのは勿論悪なんだけど、その手段が架空の物語だというのが狡くて優しいなと思う。
最後にロイが仮面の男を"助ける"ところは、物語的な美しさだけでなく、自分の物語の手を引くことの意味みたいなものを考えた。
物語を通して語ることの意味、それを子どもに語り聞かせることで生じるもの、そういうのが感じられてよかったなあ。

ふたりの人生の中で起きた物語としても、4人の男の美しい復讐物語としても、本当に好きな映画だった。
自分は「分からなさが好き」「そこにあるものが美しいという事実に意味を与えないことが好き」なところがあるんだけど、描写がそこにドンピシャだった感じがある。
観て本当によかった……。
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作品感想,映画

『白鯨との闘い』観た。
DVDレンタルする機会があったんだけど、そういえばちゃんと見てないな……と思い出したので。
だいぶ前にテレビでやってた時に後半だけ見たので、概要※は知ってる状態。

※メルヴィルの『白鯨』ではなく、メルヴィルが白鯨を書くために聞いた話がメインだということ。
厳密には、史実のエセックス号を元にした『エセックス号の悲劇』(2000)が原作らしい。

白鯨の関連作品ではあるけど、それよりもやはりエセックス号の人々の物語としてドキドキしながら観た。
海の迫力(視覚的にも物語的にも)も、これでもかと描かれていて良かった。
全体として、白鯨やその自然的驚異・畏怖よりも、人間同士の話だなと思った。
捕鯨船というものに関わる人と、それぞれの立ち位置から譲れぬもの、それらがぶつかった結果起こった状況を、一頭の白鯨がめちゃめちゃに悪化させていく話。

エセックス号でのシーンだけじゃなく、船が沈んでからの描写にもだいぶウェイトを置いている。
厳しい環境でどうするかという選択が本当に容赦ない。
エセックス号が史実の話というのはなんとなく知っていたけど、島への居残りやくじ引きも実際にあったことだと知って面食らった……。

メルヴィルの描いた"白鯨"(鯨同士の区別のためにこう表記する)と違うと感じたポイントとして、この白鯨は単なる野生動物としては表現されていないように思える、というのがある。
個人的に"白鯨"は各地で鯨捕りの前に姿を現してはゆうゆうと生き続ける、余裕をもった上位存在的なイメージがある。
こちらの白鯨はより執念深い。執拗に追いかけてくる行動は人間……というか主人公たちに嘲笑の意図をもっているように感じられる。
人間の愚かさを嘲笑う、ほんとうの悪魔みたいだ。それが逆に人間的だなと思う。
ボートの襲い方も、追突もしくは尾のビンタなので、食べるという目的もなさそうだし。

あと見た目の話! この白鯨は白というより、白黒のまだらが全身に広がっている感じなのがめちゃめちゃかっこいい!
作中で「大理石のような」と言われていたけど、本当にこの表現が合う……。
白変種やアルビノではなく、長く生き続けた中で受けた、数多の傷跡って感じ。

勿論メルヴィルの『白鯨』とは色々と違って、これはこれで作品として好きだな~と思うところがいっぱいあるんだけど、エセックス号からチェイス航海士が白鯨に銛を打ち込もうとするくだりは『白鯨』みを感じて嬉しくなった。
白い悪魔のようなクジラを前にした銛打ちが「奴を狩らねば」という欲に冒されていてもたってもいられなくなるの、たいへんアイコニックな白鯨表現で良い……!!

キャラクターとして好きだったのはチェイス(一等航海士)とマシュー(二等航海士)。
マシュー、最初のほうからずっと良い人だった……。


ここからは箇条書きの感想
・服飾や背景の作り込みが見てて楽しい。これ系の港町の雰囲気めっちゃ好きだ。
・船はそんなに大きくないんだな(後から調べたら元のエセックス号も捕鯨船のなかでは小さめだった)
・経験が浅いトップ(船長)と中間管理職(航海士)のギスギス、嫌ですねえ……。船長の従弟の立ち位置もなんか不穏。
・嵐のシーンの迫力が凄い! カメラワークでドキドキする。人間の無力さや、海というフィールドにおける船のちっぽけさを感じさせられる。
・捕鯨の迫力も良い~! ボートのスピード感、クジラの力強さ、銛打ちの技術……!
・血の潮の表現は「煙突が燃えたぞ」だ。
・解体のシーン、しっかりディティール映すんだなあ。すごい。臭そう(リアリティがあるという意味)。
・ボートに移ってからの船長の変わりようよ。
・「船乗りは貴重なものを無駄にしない」の重みったらない。でもそれを決められるのがチェイスという男なんだ……。二カーソン(語り手)のトラウマ描写につらくなる。
・石油の話で〆るのいいな。捕鯨がいらなくなることへの示唆だ。
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2026年2月3日 この範囲を時系列順で読む

雑記やメモ

2025年分の園館訪問のログと写真をまとめ終えた!
終盤にかけて密度がやたら高かった……写真が多かった……。

てがろぐに投稿日時の修正機能が追加されたので、園館訪問ログの投稿だけは訪問日当日になるようにしました。
ここ一年くらい特に溜めがちだったので、いつどの館に行ったのか、文中に書くだけだと混乱しちゃって……。
(他の投稿で使う予定は一切ありません! なぜなら自分が混乱するので!)

そして、これまでのストックが解消されたかと思いきや、1月末に大阪に行った際に5館巡ったので、既に5記事溜まっている。なんてこったい。
でも全部最高の施設だったので文章自体はさくさく書けそう。

2026年1月26日 この範囲を時系列順で読む

文字

#銀嶺の獣
アルとゼルデデの出会いの話
 ひどい吹雪だった。
 雪はまるで波のように、絶えずごうごうと辺り一帯に打ち付ける。木の幹は雷のような音を立ててしなり、風は耳元で渦巻いた。吹雪は容赦なく、その冷たさを身体の芯まで染み渡らせようとしてくる。耳や指の先が痛み、感覚が鈍くなっていくのを感じていた。
 銀の毛並みに白い雪が張りつき、周囲の景色に溶けてゆく。
 一匹のオオカミは針葉樹の大木の根本に体を伏せたまま、その体の上に冷たい雪が積み重なるのをじっと動かずに耐えていた。いっそ穴でも掘って雪の中に身を隠した方が、この厳しい風を凌げるであろうことは分かっていた。しかし、もう自力で穴を掘るだけの体力も残っていなかったのだ。
 やがて、雪と毛皮の見分けがつかなくなりそうになってきたその時、耳がわずかに動く。
(……遠くで雪崩が起きたか)
 まぶたをほんの少し持ち上げてみる。目に入る景色は相変わらず、斜めに吹き荒れる雪で真っ白だった。
 オオカミは再び目を閉じ、鼻の先を雪の中にうずめた。
(ここもいつ吞まれるか分からない。だけど、動いても動かなくても同じことだ。体は冷えたし、お腹も空いたし……さっきから眠くて仕方がない。もうオレは――)
 その先の言葉を考えると、既に冷え切った背筋がさらに凍り付きそうに震えあがった。
(いや、まだだ。まだオレは死にたくない! こんな場所で、ひとりっきりで凍え死んでたまるものか!)
 自分自身を鼓舞するように、彼は頭の中でそう繰り返した。しかし、それでも状況が好転するわけではない。雪は銀の毛皮の上に白い層を重ねていき、全身の温度を奪っていく。穴を掘るどころか、立ち上がる気力すら湧かなかった。
 その時、周囲の唸るようなざわめきに混じって、木の枝の軽く擦れる音がした。
 タイミングも大きさも、風が揺らすものとは全く違う。その音は確かに、何者かの気配を伴うものだった。
 オオカミははっと意識を取り戻し、目を見開いた。毛深いまぶたから落ちた雪が、あっという間に風に飛ばされる。
 彼の目の前には巨大な、それは巨大な縦長い影がひとつ、ぬっと立ちはだかっていた。
 咄嗟に立ち上がり威嚇の姿勢になった――つもりだったが、痩せた細い脚は自分の体を持ち上げるのがせいぜいだった。身体はがくがくと震えるばかりで、何の警戒心も示せない。その謎の怪物を睨みつけ、唸り声をあげるのがせいぜいだった。
 雪が視界を邪魔して、相手の顔は一切見えない。ぼんやりとしたシルエットが、薄暗い中に浮かぶばかりだ。
(熊か……? いや、角がある。でも、トナカイだとしても大きすぎるぞ)
 焦るなか、思考は上手くまとまらなかった。目の前のその生き物は、これまでに見たことのある大型の生き物のどれとも違っていたのだ。しかし、自身の身に危険が迫っていることは明確だった。野生の本能が、自らにそう告げていたのだ。
 牙をむき出して必死に唸っていると、その影は口を開いた。
 風の音の合間にどっしりと低く響く、静かな声だった。
「オオカミか……まだ若いな。群れからはぐれたのか」
「!」
 彼は息をのんだ。一匹のオオカミの身に、その言葉は鋭く突き刺さる。
(違う、はぐれたんじゃない、俺から離れたんだ!)
 オオカミはそう叫ぶように、歯茎をむき出して、より激しく唸った。しかし、巨大な相手は怯むどころか、一切の動く様子すら見せなかった。
 びゅう、と鋭い音を立てて風向きが変わる。一瞬の向かい風に巨大な怪物の匂いが乗って、オオカミの鼻まで届いた。つんとするほど冷たい空気に混じったわずかな匂いを、彼の鼻は正確に嗅ぎとった。
(なんだこれ、変な匂いだ。鹿でもあるし、熊でも、オオカミでもある……それから、焼けた木みたいな。他にも色々混ざってる。こんなの、どこでも嗅いだことない)
 オオカミがそうして考える数秒の間に、怪物はゆっくりと踵を返していた。
「……ふん、可哀想にな」
 そう吐き捨てて、それは億劫そうにのそのそと元来たほうへ歩き出す。強風の中を何でもないように進んで、その影は段々と吹雪の中にのまれゆく。白い地面に残された、トナカイに似た幅の広い蹄の足跡も、あっという間に風にかき消され始めた。
(あいつ、俺を食う気じゃないのか)
 オオカミはどこか呆然としながら、遠ざかるその後ろ姿を見つめていた。
 自分を襲うどころか、哀れむ言葉すらかけていった謎の生き物。あれが一体何者なのか、それはオオカミにはてんで分からなかったが、ただひとつ明らかなことがあった。
(……このままここにいても、凍え死ぬか飢え死ぬか、どちらかだ。もしあいつが俺を食うような奴じゃないなら、あいつについていけば、あるいは――)
 オオカミは肺にひとつ冷たい空気を入れると、バウッとひと声あげた。
 それでも怪物は立ち止まる様子がない。彼は全身のわずかな力を振り絞り、巨大な相手に飛びかかった。
 ちょうど尻尾のように垂れ下がった部分に噛みついたその瞬間、オオカミは強い違和感を覚えた。中身がないのだ。そこには生き物としての温度も、骨や肉の質感もなかった。
「……変なオオカミだな。鼻が利かないのか? これはお前の仲間の毛皮だぞ」
 巨大な怪物はそう言ってオオカミの首根っこを掴み、顔の前まで持ち上げた。
(たっ、高い!)
 脚が宙に浮き、瞬間的に地面が遠ざかる。辺りの低木よりずっと高い位置まで一瞬で持ち上げられたのだ。その恐怖に、オオカミは反射的に脚をすくめて体を丸くした。
 あまりの恐ろしさに、抵抗する勇気もなかった。それに、こんな高さから投げ落とされたりでもしたら、ただでは済まないだろう。怪物の意図は分からなかったが、無事に下ろしてもらうのが先決だ。
「キャン……キューン……」
 下ろしてくださいと言わんばかりに、耳を伏せ、上目遣いでその顔を見る。
 よく見れば、その毛むくじゃらの怪物の顔には毛がなく、上半分は黒っぽくて硬いものに覆われていた。目がどこかすらよく分からない。少なくとも、オオカミやトナカイのような長い顔ではなく、それどころか熊よりも平たい奇妙な顔であることは分かった。
 それはまた数秒の間黙っていたが、やがて口をわずかに開いて、ゆっくり息を吐いた。
「……吹雪が止むまでだぞ」
 オオカミの視界が明るかったのは、そこまでだった。一瞬のうちに、オオカミは狭くて暗い場所に押し込められた。怪物は彼を、自分の毛皮の中に入れた(・・・・・・・・)のだ。
 すぐにわずかな縦揺れが始まり、怪物が歩き始めたのが分かった。
 狭い隙間に乱雑に詰め込まれたオオカミは、何が起きたのか分からずに、手足をばたつかせて滅茶苦茶に声をあげた。暗闇の中、あの奇妙な匂いが鼻いっぱいにつく。
 怪物は低くぴしゃりと言い放った。
「黙れ。捨て置いてもいいんだぞ」
 その言葉に、オオカミはひとつ小さく鳴いて、暴れるのをやめた。
 動くのをやめると、体はすぐに疲労を思い出したようだった。足先の冷えがじわじわとほどけ、波のような眠気が襲いかかってくる。狭い暗闇は暖かく、一定のリズムで揺れる。外の吹雪の音はにぶく聞こえ、もはや別世界のもののようだった。
 こんなところで、寝てはいけない。
 そう思う間もなく、彼はゆらゆらと意識を落としていった。

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2026年1月19日 この範囲を時系列順で読む

,日記

そういえばお誕生日でした!!
3年前からやってる、チョコミントスイーツ×ネペタちゃんの絵を描くのを今年もやりました。#りーまーず

去年まではモチーフぎゅっと詰め込むような構図だったんだけど、今回は気分を変えたかったので空気感を意識した感じの絵です。

かわいいキャラがものを食べてるとこを描くのが好きだ……。
そして食べるのに夢中になってちょっぴりお行儀悪くなっちゃって照れちゃうのも好きだ……。
つまるところ好きなものを詰め込んだ絵です。
誕生日当日にはチョコミントアイスとドーナツを食べました🍫🌿🍩

2026年1月4日 この範囲を時系列順で読む

日記

新年明けてました!
今年もよろしくお願いします。

喪中なので年賀絵はないのですが、去年一昨年も干支のイラスト描いたので、
せっかくだから今年も馬のなにかしらの絵は描きたいなと思っています🐴
SNSでは色んな馬タウルの絵が見れてたいへん眼福です。
タウルってやっぱり好きだな……。

去年の後半また体調ガタガタだったのですが、原因これじゃないか……!? というところに薄々気付いてきたので、今年こそは健康にいきたい!!
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