Live2Dモデルの動きを調整しよう!VTubeStudio編
同じLive2Dモデルでも、ユーザーの環境や設定によって動きが大きく変わってきます。
モデルの良さを活かしてより魅力的な動きにできるように、VTubeStudioで調整できるポイントをまとめました!
目次
設定画面の開き方
設定ファイルのバックアップ
1.キャリブレーション
2.ガチ恋距離の設定
3.各パラメータの設定
そのほか注意点
※解説内容はPC版のVTubeStudioになります
※2024年8月時点の情報です
※解説に使用している自作モデル「柴犬のみかん」は
BOOTH
や
nizima
で販売中です!
設定画面の開き方
まず設定画面の見方を確認します。
VTubeStudioの画面をダブルクリックすると、画面左にメニューが現れます。
設定画面を開くには、ピンクの歯車マークをクリックします。
歯車マークを押すとこんな画面になります。
左上のアイコンから4種類の設定画面が開けます。
それぞれ設定できる内容は以下になります。
歯車
⚙
VTubeStudio自体の設定や、カメラやマウスなどの接続に関する設定です。
カメラ
📷
トラッキング方法やグラフィックに関する設定です。
人とカメラ
👤
モデルそのものの設定です。
カチンコ
🎬
キーバインドやモーションなどの設定ができます。
設定ファイルのバックアップ
モデルを調整してみたけど元に戻したくなった、失敗してしまったけど元の設定が分からなくなった……ということは起こり得ます!
いざという時に設定を復元できるように、編集前にバックアップをとっておきましょう。
バックアップの取り方
歯車⚙の設定画面を開くと、「データフォルダを開く」ボタンがあります。
ここを押すとエクスプローラで「StreamingAssets」というフォルダが開かれます。
このフォルダはざっくり言うとVTubeStudio用のデータ置き場です。
なので、モデルの設定をいじるとこの中にある設定ファイルが書き換えられることになります。
バックアップをとるには「StreamingAssets」内の「Live2DModels」フォルダを開き、その中にある自身のモデルの名前がついたフォルダを開きます。
そうすると、フォルダ内に「.vtube.json」とついたファイルがあると思います。
これが設定ファイルなので、これをコピーして他の場所にペーストしておきましょう。
バックアップ場所は自分が分かりやすい場所ならどこでも大丈夫です!
何度かバックアップをとる可能性がある場合、日付をつけたフォルダ内に入れておくと、うっかり上書きしてしまうのを防げるのでおすすめです。
設定ファイルそのものの名前は書き換えないでおきましょう。
設定の復元方法
復元したいときは、このコピペしてとっておいたほうのファイルを「StreamingAssets」内のモデルフォルダのものに上書きすればOKです。
1.キャリブレーション
カメラが認識している自分の顔の位置や表情をリセットして、基本の状態を再認識させる工程です。
手順はこちらのページで解説しています。
全体の動き方に影響するので、調整の一番最初に行うことをおすすめします!
2.ガチ恋距離の設定
人マーク👤の設定を開くと「ガチ恋距離」設定があります。
これはカメラに対する顔の位置によって、モデル全体を移動させる機能です。
それぞれオンとオフの状態を比べてみるとこんな感じ。
オンにしていると、全体的にふわふわ浮いているような動きが加わります。
デメリットとしては、設定やモデルの相性によっては不自然に見えてしまったり、自分が離席する際などに思わぬ位置にモデルが移動したりすることがあります。
不要な場合は「使う」のチェックボックスをオフにしてください。(オフにしても値は保存されます)
(ちなみに個人的には使いこなすのが難しい機能だと思っているので、自身の販売モデルの初期設定ではオフになっているものが多いです。)
調整のやり方
この機能はX(横)、Y(縦)、Z(奥行き)の3つの軸を検知します。
値を20に近づけると大きく、-20に近づけると逆向きに、0にすると動かなくなります。
例えばZだけ大きい値にすると奥行きだけを反映して……
Xだけ大きい値にすると横向きにスライドする感じにできます。
お好みで調整してみてください!
3.各パラメータの設定
人マーク👤の設定画面を下にスクロールしていくと、画像のような項目がたくさん縦に並んでいると思います。
これはパラメータ設定といって、カメラで認識した顔の動きをLive2Dの動きと連携させるための重要な部分です。
項目がたくさんあって最初は混乱しますが、見方が分かれば大丈夫です!
この部分を調整することでより自分に合った動きにすることができますが、いざという時に設定を復元できるように先述した手順で
必ずバックアップをとっておきましょう
!
項目の見方
調整していくにあたって理解しておいたほうが良い部分をエリア分けしました。
①IN
カメラからの入力パラメータ
②OUT
モデルへの出力パラメータ
③スムージング
動きのなめらかさ
④IN数値
カメラからの入力値の範囲
⑤OUT数値
モデルへの出力値の範囲
前提知識として、
VTS側の「入力パラメータ」と「入力値」、
Live2D側の「出力パラメータ」と「出力値」
はそれぞれデフォルト値や範囲が設定されています。
Live2D側の設定はモデルに依存しますが、VTS側の値はユーザーの動き方やカメラなどの環境によって大きく変わるので、ここを調整することで自分に合った動きにすることが可能です!
※ちなみにLive2D側のパラメータはモデルごとに変更・調整されている場合も多いので、不明点があればモデラ―さんに確認するのが良いと思います。
調整のやり方(IN数値)
調整の際はカメラをONにしてキャリブレーションをした状態にしておきます。
ここから表情筋をいっぱい動かすことになるので頑張りましょう!
例として、INパラメータが「Face Left/Right Rotation」つまり「顔のX(顔を左右に振る動き)」の部分を調整していきます。
画面を見ながら顔を左右に振ると、INの左側の数値とその横の点が上下にぐりぐり動きます。
この
点が上下の括弧に到達しない場合
は、自分の動きが基本設定より小さめということになります。
INの部分にある2つの数値を小さくすることで、モデルへの反映を大きくすることができます。
逆に、
点が上下の括弧を大きく貫通して動く場合
、自分の動きが大きめに検知されているということになります。
INの部分の2つの数値を大きくして、モデルへの反映を控えめにしてみましょう。
共通するポイントは以下です。
・顔を動かしたときに、赤い点が括弧にちょうどぶつかるくらいを目指す
・動かしている最中に左側で動いている数値を参考にする
・プラスとマイナスの値がある場合、同じ比率になるようにする
(10と-10、30と-30など)
顔の向き以外も同様に調整可能です。
パラメータ名を和訳すれば何がどの値と対応しているのか分かりますが、以下のページでも各パラメータの内容が確認できます。
【INパラメータ名】
VTubeStudio公式ドキュメント(英語)
VTubeStudioパラメータ-Live2D案内
【OUTパラメータ名】
標準パラメータリスト-Live2D公式マニュアル
調整のやり方(OUT数値)
OUTの値はLive2Dモデルごとに設定があり、細かい調整が加えられている可能性もあるので、基本的にはあまりいじらないことをおすすめします。
ただし、OUT数値のプラス値とマイナス値を入れ替えることで、特定の動きを反転させることができるので、
体の動きの反転が可能な場合などには活用してみるのもおすすめです。
ちなみに「柴犬のみかん」は身体のパラメータ反転OK!
首をひねるような動きになって印象が変わります。
調整のやり方(スムージング)
「スムージング」のスライダーを右に動かすほど、
そのパラメータの動きがなめらか・ゆっくりになります。
お好みで調整してみてください。
そのほか注意点
上記の設定をしてもなお綺麗にトラッキングできない!という場合、以下のような原因が考えられます。
・顔周りが暗すぎる
・前髪が顔にかかっている
・メガネのフレームが目立つ(iOSトラッキングの場合は改善されるようです)
ソフトやモデルの設定だけでなく、撮影環境や動きも工夫することでより良い動きになるのがLive2Dトラッキングの良いところです。
素敵なモデルがより魅力的な動きになる助けになれば幸いです!
記事を書いた人
栗城はる
イラストレーター兼Live2Dモデラ―です。たまーに配信もしています。
何かあれば
お問い合わせ
か
Wavebox
までどうぞ。
同じLive2Dモデルでも、ユーザーの環境や設定によって動きが大きく変わってきます。
モデルの良さを活かしてより魅力的な動きにできるように、VTubeStudioで調整できるポイントをまとめました!
設定画面の開き方
設定ファイルのバックアップ
1.キャリブレーション
2.ガチ恋距離の設定
3.各パラメータの設定
そのほか注意点
※解説内容はPC版のVTubeStudioになります
※2024年8月時点の情報です
※解説に使用している自作モデル「柴犬のみかん」はBOOTHやnizimaで販売中です!
設定画面の開き方
まず設定画面の見方を確認します。
VTubeStudioの画面をダブルクリックすると、画面左にメニューが現れます。
設定画面を開くには、ピンクの歯車マークをクリックします。
歯車マークを押すとこんな画面になります。
左上のアイコンから4種類の設定画面が開けます。
それぞれ設定できる内容は以下になります。
VTubeStudio自体の設定や、カメラやマウスなどの接続に関する設定です。
カメラ📷
トラッキング方法やグラフィックに関する設定です。
人とカメラ👤
モデルそのものの設定です。
カチンコ🎬
キーバインドやモーションなどの設定ができます。
設定ファイルのバックアップ
モデルを調整してみたけど元に戻したくなった、失敗してしまったけど元の設定が分からなくなった……ということは起こり得ます!
いざという時に設定を復元できるように、編集前にバックアップをとっておきましょう。
バックアップの取り方
歯車⚙の設定画面を開くと、「データフォルダを開く」ボタンがあります。
ここを押すとエクスプローラで「StreamingAssets」というフォルダが開かれます。
このフォルダはざっくり言うとVTubeStudio用のデータ置き場です。
なので、モデルの設定をいじるとこの中にある設定ファイルが書き換えられることになります。
バックアップをとるには「StreamingAssets」内の「Live2DModels」フォルダを開き、その中にある自身のモデルの名前がついたフォルダを開きます。
そうすると、フォルダ内に「.vtube.json」とついたファイルがあると思います。
これが設定ファイルなので、これをコピーして他の場所にペーストしておきましょう。
バックアップ場所は自分が分かりやすい場所ならどこでも大丈夫です!
何度かバックアップをとる可能性がある場合、日付をつけたフォルダ内に入れておくと、うっかり上書きしてしまうのを防げるのでおすすめです。
設定ファイルそのものの名前は書き換えないでおきましょう。
設定の復元方法
復元したいときは、このコピペしてとっておいたほうのファイルを「StreamingAssets」内のモデルフォルダのものに上書きすればOKです。
1.キャリブレーション
カメラが認識している自分の顔の位置や表情をリセットして、基本の状態を再認識させる工程です。
手順はこちらのページで解説しています。
全体の動き方に影響するので、調整の一番最初に行うことをおすすめします!
2.ガチ恋距離の設定
人マーク👤の設定を開くと「ガチ恋距離」設定があります。
これはカメラに対する顔の位置によって、モデル全体を移動させる機能です。
それぞれオンとオフの状態を比べてみるとこんな感じ。
オンにしていると、全体的にふわふわ浮いているような動きが加わります。
デメリットとしては、設定やモデルの相性によっては不自然に見えてしまったり、自分が離席する際などに思わぬ位置にモデルが移動したりすることがあります。
不要な場合は「使う」のチェックボックスをオフにしてください。(オフにしても値は保存されます)
(ちなみに個人的には使いこなすのが難しい機能だと思っているので、自身の販売モデルの初期設定ではオフになっているものが多いです。)
調整のやり方
この機能はX(横)、Y(縦)、Z(奥行き)の3つの軸を検知します。
値を20に近づけると大きく、-20に近づけると逆向きに、0にすると動かなくなります。
例えばZだけ大きい値にすると奥行きだけを反映して……
Xだけ大きい値にすると横向きにスライドする感じにできます。
お好みで調整してみてください!
3.各パラメータの設定
人マーク👤の設定画面を下にスクロールしていくと、画像のような項目がたくさん縦に並んでいると思います。
これはパラメータ設定といって、カメラで認識した顔の動きをLive2Dの動きと連携させるための重要な部分です。
項目がたくさんあって最初は混乱しますが、見方が分かれば大丈夫です!
この部分を調整することでより自分に合った動きにすることができますが、いざという時に設定を復元できるように先述した手順で必ずバックアップをとっておきましょう!
項目の見方
調整していくにあたって理解しておいたほうが良い部分をエリア分けしました。
カメラからの入力パラメータ
②OUT
モデルへの出力パラメータ
③スムージング
動きのなめらかさ
④IN数値
カメラからの入力値の範囲
⑤OUT数値
モデルへの出力値の範囲
前提知識として、
VTS側の「入力パラメータ」と「入力値」、
Live2D側の「出力パラメータ」と「出力値」
はそれぞれデフォルト値や範囲が設定されています。
Live2D側の設定はモデルに依存しますが、VTS側の値はユーザーの動き方やカメラなどの環境によって大きく変わるので、ここを調整することで自分に合った動きにすることが可能です!
※ちなみにLive2D側のパラメータはモデルごとに変更・調整されている場合も多いので、不明点があればモデラ―さんに確認するのが良いと思います。
調整のやり方(IN数値)
調整の際はカメラをONにしてキャリブレーションをした状態にしておきます。
ここから表情筋をいっぱい動かすことになるので頑張りましょう!
例として、INパラメータが「Face Left/Right Rotation」つまり「顔のX(顔を左右に振る動き)」の部分を調整していきます。
画面を見ながら顔を左右に振ると、INの左側の数値とその横の点が上下にぐりぐり動きます。
この点が上下の括弧に到達しない場合は、自分の動きが基本設定より小さめということになります。
INの部分にある2つの数値を小さくすることで、モデルへの反映を大きくすることができます。
逆に、点が上下の括弧を大きく貫通して動く場合、自分の動きが大きめに検知されているということになります。
INの部分の2つの数値を大きくして、モデルへの反映を控えめにしてみましょう。
共通するポイントは以下です。
・顔を動かしたときに、赤い点が括弧にちょうどぶつかるくらいを目指す
・動かしている最中に左側で動いている数値を参考にする
・プラスとマイナスの値がある場合、同じ比率になるようにする
(10と-10、30と-30など)
顔の向き以外も同様に調整可能です。
パラメータ名を和訳すれば何がどの値と対応しているのか分かりますが、以下のページでも各パラメータの内容が確認できます。
【INパラメータ名】
VTubeStudio公式ドキュメント(英語)
VTubeStudioパラメータ-Live2D案内
【OUTパラメータ名】
標準パラメータリスト-Live2D公式マニュアル
調整のやり方(OUT数値)
OUTの値はLive2Dモデルごとに設定があり、細かい調整が加えられている可能性もあるので、基本的にはあまりいじらないことをおすすめします。
ただし、OUT数値のプラス値とマイナス値を入れ替えることで、特定の動きを反転させることができるので、
体の動きの反転が可能な場合などには活用してみるのもおすすめです。
ちなみに「柴犬のみかん」は身体のパラメータ反転OK!
首をひねるような動きになって印象が変わります。
調整のやり方(スムージング)
「スムージング」のスライダーを右に動かすほど、
そのパラメータの動きがなめらか・ゆっくりになります。
お好みで調整してみてください。
そのほか注意点
上記の設定をしてもなお綺麗にトラッキングできない!という場合、以下のような原因が考えられます。
・顔周りが暗すぎる
・前髪が顔にかかっている
・メガネのフレームが目立つ(iOSトラッキングの場合は改善されるようです)
ソフトやモデルの設定だけでなく、撮影環境や動きも工夫することでより良い動きになるのがLive2Dトラッキングの良いところです。
素敵なモデルがより魅力的な動きになる助けになれば幸いです!
記事を書いた人
栗城はる
イラストレーター兼Live2Dモデラ―です。たまーに配信もしています。
何かあればお問い合わせかWaveboxまでどうぞ。