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2025年4月2日(時系列順)[2件]
2025年4月2日(水)
〔27日前〕
文字
2025年4月2日(水)
〔27日前〕
曲
「アンコールダンス」MIMI feat. 重音テトSV
ジャズっぽいおしゃれな曲に、テトさんの踊るPVがとっても素敵!!
キラキラピアノ伴奏のボカロ曲が大好きなんだけど、MIMIさんの音は本当にかわいくて気持ちいい。
「チェリーコークにペパーミント」Ingen feat.琴葉姉妹
ジャズっぽい曲&おしゃれなアニメで言うとこれも大好き。
合成音声にこんなスキャットさせるのすごすぎる!
「サイエンス」MIMI feat.重音テトSV
アンコールダンス良すぎ……って兄弟に話してたら、サイエンスも良いぞってきたので聴いた。良すぎ……。
PVは最近よく見る形(単色背景にテトがサビで踊る)を押さえつつ、かわいくもほんのり寂しくなるMIMIさんっぽい曲に合っててとても好き!
「メメント」あめのむらくもP feat.GUMI
これもピアノ曲。タイトルからすると失った人の曲かな?と思うんだけど、いつか失うものへの曲で心に刺さった。
5年前の曲だけど知れて嬉しい……。
あめのむらくもPの他の曲は新時代のワルツも好き。
ロクの名前についての昔話
「タラッサ、って、何?」
「ああ、これか。私の名前だよ。」
「なまえ……。魔女、じゃない?」
ロック鳥は首を傾けた。物には名前がある、それは魔女が教えてくれたことだ。だから、彼はてっきり「魔女」というのがこの人間の名前なのだと思っていた。
魔女は頷いた。
「魔女というのは、私に後から付けられた記号のようなものだよ。タラッサというのが本当の名前なのだ。私はよく知らないが、どこかの海の神と同じだとかね。……だが、どうでもいい。今ここで私のことを呼ぶ者は誰もいない。」
穏やかな低い声でそう云い放ち、魔女は紙を暖炉に放り込んだ。伏せた目に、火の粉がぱちぱちと光る。
「いる、よぶひと。」
魔女の服をぐいと引っ張ってロック鳥は言った。振り返った魔女に、しっかり目を合わせる。真っ直ぐな視線に、魔女は気が抜けたように微笑み返す。
「そうだったな。」
「だが、良い。お前には魔女と呼ばれたほうが心地が良いのだ。ここに過去の私、タラッサはいない。居るのは只の魔女とお前だけ……」
魔女はそう言いかけたところで口をつぐんだ。ロック鳥は、考え込む魔女の顔を覗き込む。
「どうした?」
「私の名前は魔女で充分――だが、お前は名前が欲しいかい?」
ロック鳥はぱっと顔を明るくした。
「ほしい! 私の名前!」
「折角だから、何かお前の好きなものにしよう。何が良い?」
彼は、好きなものとして何にするかはすぐに思いついたようだったが、それを表す丁度いい言葉が決まらないようで、自分の知っている言葉から探すように、色々な単語を挙げていった。
「しま、じめん、りく、つち……」
「土地、孤島とかか?」
魔女は試しに似たような言葉を挙げてみる。ロック鳥は納得いかない様子で、言葉に迷いながらも言った。
「タラッサは、海。じゃあ私は、海じゃないところ……がいい。海と島は、ずっと隣だから。」
魔女は困ったように、嬉しそうに笑った。
「お前は本当に甘えるのが上手だなあ。」
少し待ちなさい、と言って魔女が自室から取ってきたのは、かなり分厚い本だった。魔女の片手にやっと収まる大きさの本を開いて現れた、びっしりと埋まったページに何が書かれているのか、ロック鳥にはさっぱり分からなかった。豆粒の様に小さい文字は、そもそもどうやって書いたのかと驚くほどだった。その様子を見て魔女は説明した。
「これは辞書というものだ。ものの名前と、その意味が書いてある。……この文字が小さすぎて読めないなら、お前がもっと小さくなれれば良いのだよ。」
しょんぼりするロック鳥をよそに、魔女は声色を明るくした。
「これなんてどうだね。東方の国の言葉だが、ロック鳥に近い響きがある――それに、お前も言いやすそうだろう、ロク?」
ロック鳥は、これまでにない位の笑顔をうかべて、とびきり良い返事をしてみせた。
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