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No.629

文字,日記

カエデに種がついていた。
秋になるとくるくる踊るように舞い落ちる、プロペラのついたあの種だ。
秋に見るかさかさした茶色い姿とはまるで違う、
元気な黄色と鮮烈な紅色の、グラデーションの一張羅。

あれが春のうちから準備を始めていることを、恥ずかしながら長いこと知らずにいたのだ。
遠目で見るとカエデが紅を差しているかのようにも見えるし、
近くで見ればたくさんの蝶が止まっているようにも見える。

よく通る道なのに、これまでずっと通り過ぎていたのが嘘みたいなほどに綺麗だ。
彼女たちは、明るい萌黄の葉にきっといちばん映える色で、春のうちから踊りの稽古を始めてるのだ。
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