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No.753

作品感想,映画

1月14日に『FALL 落下の王国』を劇場で観た。

元は2006年の映画だけどDVDが廃盤になってたりで、知る人ぞ知る的な作品だったらしい……んだけど、それがリマスター版になって劇場公開!
というのをXで見かけて、PVの雰囲気とキャラデザの美しさに圧倒されて観に行った。

すっっっっっごく良かった。めちゃめちゃ好き。
視覚的な気持ち良さがずっと満たされる感じがあるし、物語としてもたいへん良かった。
怪我をしたスタントマンの男性が、同じく入院中の少女に物語を語って聞かせるという構造。
なので病院の描写と架空のお話の描写を行ったり来たりするんだけど、お話のパートの描写が本当に全部美しい。

自分は小説を読んだり物語を聞いている時に、脳内で映像を作って、もし自分の想像が描写とズレてたら随時修正して補完して……場合によっては背景を曖昧なままにして想像を続けて……っていう風に進めていくんだけど、それが映画で行われていた。
自分でも書いててどういうこと? って思うんだけど……。
主人公がアドリブで語り進める物語にあわせて、舞台がさまざまに移り変わりながら旅が進んでいく。
その全部が壮大で美しくて、いちばん綺麗な時の夢のようだった。
ちょこちょこ不可解なところや整合性の分からない箇所もあるんだけど、それもまた子どもに聞かせるアドリブの物語って感じで良い……。

特に、アレキサンダー大王が立っている場所が建物から砂漠に移るところと、布を血で染めるところ、霊者の儀式前後、青い街、ルイジの爆発のシーンあたりは本当に好き。
あと本当にキャラデザが良い……!!
移り変わる絵画のような美麗な構図にとにかく映える。みんなめちゃめちゃかっこいい。

スタントマンのロイは、自分が薬物乱用するために子どもを利用するのは勿論悪なんだけど、その手段が架空の物語だというのが狡くて優しいなと思う。
最後にロイが仮面の男を"助ける"ところは、物語的な美しさだけでなく、自分の物語の手を引くことの意味みたいなものを考えた。
物語を通して語ることの意味、それを子どもに語り聞かせることで生じるもの、そういうのが感じられてよかったなあ。

ふたりの人生の中で起きた物語としても、4人の男の美しい復讐物語としても、本当に好きな映画だった。
自分は「分からなさが好き」「そこにあるものが美しいという事実に意味を与えないことが好き」なところがあるんだけど、描写がそこにドンピシャだった感じがある。
観て本当によかった……。
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